なないろネイチャーノート

なっさんの山歩き、自然観察、自然を楽しむ活動の記録です

大雪山の奥座敷トムラウシ山へ

今回の北海道登山の中で、一番登れるか心配だった&とても楽しみだったお山トムラウシ山。山の名前を聞くと、気象遭難事故が何度かおきた山として知られていて、恐ろしい山という印象もありますが…、奥深い大雪山にどっぷりと浸かり、変化のある登山道、美しい景色や高山植物を楽しめる山としても人気のある山です。「トムラウシ」とはアイヌ語で「花の多いところ」「水垢の多いところ」を意味するといわれてます。お花の時期に行きたくなる名前…今回はぎりぎり咲いているお花を見つけられましたが、チャンスがあればお花の最盛期や紅葉の時期にも行ってみたいですね。

今回は、短縮登山口から往復する日帰りコースで。日帰りとはいえども長丁場、アップダウン、急勾配、岩場、ぬかるみ、渡渉…たくさんの試練があり冒険感が強いお山で、キツいけれど楽しい山行となりました。

今回の一押し絶景。こちらです!

出発から約5時間、ようやくトムラウシ公園の手前まできたところでこの絶景!ここまでくるにもなかなかのキツさではありましたが、霧が立ち込めて秘境の秘境までやってきたような、息をのむ美しさでした。山頂まではまだまだ残り2時間半の場所です。ずっしりとした岩々が重なり、中央右には巨大なケルンのような岩々の塔。ハイマツ、高山植物の緑が岩々を覆いつくしていました。

山登り記録 2023/09/06

登山前日

富良野から宿への移動です。寄り道しながら進みました。

富良野→カンパーナ六花亭モンベル上富良野店→(宿)東大雪荘

カンパーナ六花亭

六花亭のお店とデザートを楽しみました。お店のテラスは眺めが素敵!大雪山連峰とブドウ畑、富良野の街を見渡せます。北海道のおいしい空気、最高でした!

併設されているジンギスカンのお店「白樺」でジンギスカンランチ🥢

モンベル上富良野

たまたま通り沿いにあったモンベル…!

目星をつけていた軽量な20Lのザックを購入!

早速今回の山行で使いました。初めての登山ザックは大は小を兼ねると思い、45Lを購入し、今でも日帰りでも使っていたので、嵩張って邪魔でした。重さも−1kg 、コンパクトに荷物がまとまって、すごく快適でした。

北海道の山は7月でも低気温になるほど要注意なので、フリースやダウンも予備で必要なので、フリースもザックに詰め、生水はエキノコックスに汚染されている可能性があるため、水は3L 。こちらもザックに収まりました。日帰り登山(冬以外)は20L あれば十分だと気付きました…。

東大雪荘(宿)

宿は登山口のそばの宿、東大雪荘へ。短縮登山口までは車で40分ほどかかりますが、こちらに2泊です。

売店モンベル×トムラウシ山Tシャツにひとめぼれし、購入✨普段限定Tシャツは買わないのですが、ナキウサギ、エゾフクロウ?、テン?、モモンガ、エゾリス、ヒグマ、クマゲラの動物たちがかわいくて👍「神々の遊ぶ庭」とはアイヌの方々が雄大で美しい神秘的な大雪山を神様が舞い踊る場所として崇拝・畏敬の対象にし、「神々の遊ぶ庭(カムイミンタラ)」と呼んでいた言葉です。明日はこれを着て山頂に行くぞ!と奮い立たせました(笑)

f:id:nanatsunoirodory:20231025012410j:image

温泉は広くて、とてもよかった!露天風呂も川沿いにありリラックスできました。

登山開始!

コース

短縮登山口→トムラウシ山

コースタイム(休憩含む)

合計 11時間20分

距離

17.5km

累積標高

登り1534m/下り1533m

メンバー

3人

天気

くもり。ほとんど半袖。直射日光がなく、風が涼しく、ペースも一定でちょうどよかったです。暑かったらバテバテになってたかと思います…。さすがに山頂は寒かったですが、短い滞在なので耐えられました。

帰り途中、雷の音が聞こえ、雷雨に。レインウェアも着て、ひたすら下り続けました…。山頂やその直下で雷雨に遭遇しなくて良かった…。数十分後におさまりましたが、登山道は川のように激変……ドロドロ、水も流れる悪路に四苦八苦。すべらないように、足が泥に埋まらないように注意しながらひたすら下り…。登山口はまだかまだかと帰りが長かったです(T_T)

登山の様子

朝3時半、宿から車で出発。短縮登山口駐車場に着き、トイレを済ませ準、4時30頃スタート。まだ暗いので、ヘッドライトの光だけで前に進んでいきます。登山口の笹薮でガサゴソと音が聞こえたので、「おはようございます」と声がけしましたが返事がありません…クマだったら怖い…ということで、おはようございますと声掛けしながらスタート。ドロドロの道が多く、靴とズボンが凄まじいことに…。はじめは緩やかな登りが続き、だんだん周囲の山が眺められる高さまで行くと朝陽が見えてきました。

朝陽に照らされるエゾリンドウ

カムイ天井まで登ると、次はコマドリ沢までの下りです。どんどん傾斜が急になっていきます。帰りにはここを登るのか…と憂鬱に。コマドリ沢手前にはテントのトイレブースがありました。沢を渡渉すると今度は登り。ここではトウチソウが群生していました↓。またエゾシマリスさんの姿も!

↓前トム平へはひたすら登り。やがて高山帯となり雄大な景色を眺めながらの登りです

前トム平からは下りに。所々の岩場…ロックガーデン↓ではナキウサギが暮らしています。行きでは出会えなかったのですが、帰りに出会うことができました。写真は撮れませんでしたが…小さくてコロッとしてとっても愛らしかったです。

秋の色合いも増えてました。

トムラウシ公園まで近づいてくると眼下に広大な平地が見えてきます。ここがトムラウシ公園です。素晴らしい光景の中を一歩一歩くだけで感激でした。

↓ガスの中には雪渓が残っていました。(写真右)

トムラウシ公園は平たんな道。目の前の山に向かって進みます。

↓目の前の山を登るとこちらからもトムラウシ公園を見下ろすことができ、上から眺める景色は絶景です。

そこからまた登り、ようやくテント場へたどり着きます。携帯トイレブースがあり、帰りに寄りました。まだ登りは続き、山頂直下は急勾配の岩場となりました↓。最後の登りがキツかった!

そして、ようやく山頂へ。歩き始めて5時間半!山頂はガスっていたので、眺望はありませんでした。

山頂ではエネルギー補給。がっつり登山だと食欲がなくなってしまって、登山前に食べようと思っていたパンやお菓子が結局のどを通らなかった、意外と少量の補給で間に合った…ということに気づきます…。数日の登山で食欲出ず先延ばしにしたパンもいつの間にか賞味期限切れ…というもったいないことをしてしまったのは反省です。そして水で薄めたソルティライチがおいしい…糖分補給にもなる…と気づき、しばらく活用してました。

帰り道、テント場から下るとき先日旭岳で会った方々に偶然お会いしました。北海道登山の王道コースなのかもしれないですね。帰り道は悪路で本当に長く感じました…。上り下りようやく下りだけとなりひたすら下り…途中から鼻血が出てしまい…止まらなくて鼻を抑えながらようやく登山口に到着でした…。

お花や実たち

イワヒゲ

ほそーぃヒゲのような葉っぱですが、ツツジの仲間の樹木。地面に這うようにマットのように育ちます。丸めの葉っぱはコケモモの葉っぱですね。同じような環境過ごします。

エゾノツガザクラ

ピンク色の小さなまあるいお花がかわいい。

白くふわふわしているのがチングルマの実

風車のような実、漢字で書くと稚児車

青紫色はイワギキョウのお花です。このお花、葉っぱよりもお花が大きくて、存在感があります。

 

 

赤い実はコケモモ

おいしそうだね〜。

イワウメ

葉っぱがまるっこくて、細かい😊

こちらは特に雪解けすぐに咲くお花

9月に出会えてラッキーかも?

チングルマ、お花ミッケ

まとめ

11時間半の長丁場。そして素晴らしすぎる絶景…。本当に素敵なお山で、無事に登れて、帰れてよかったです。もう少しのんびり、景色やお花を楽しみたかったなあ…、日帰りでも行けるけど、時間の制約があるのはもったいないお山だと思いました。テント場があるので、そこで一泊のんびりするのもアリ!と思います。テント泊装備も大変ですが…😂

やはりこの広がる絶景は、お花の時期や紅葉の時期にも訪ねてみたいです。眺望も今回はいまいちでしたし、あとは一眼カメラを持って…行きたい!!

また、旭岳〜トムラウシ山を数日かけて歩く縦走コースもあり、私が山を始めたばかりのときにNHKで見て知り、日本にこんなに奥深く広大で美しいところがあるんだと衝撃をうけ、いつか行ってみたいと思ってました。北海道の山なんて、本州で働いていたらまず行ける機会はないだろう…老後かな…なんて思っていました。が、新しい礼文島での仕事に恵まれて、仲間にも恵まれて、仕事終わりに道内で山登りができる環境が整い、一年前の自分には想像もしていなかった北海道の山を楽しむ贅沢な2週間を過ごすことができました。今回のトムラウシ山は黒岳~旭岳縦走、天塩岳登山、に続いて3座目のお山です。島を出て、一週間の間に3座制覇することができました。実は、8月頭に利尻山に登ったあと、コロナに感染し10日ほどベットの上で過ごし、体力落ちてしまったのでは?9月からの登山三昧を乗り越えられるか?と心配でしたが、筋肉痛もなく、無事一週間乗り越えられました!